自律神経失調症


自律神経失調症ってどんな病気?
どんな症状があるの?
現代医学での治療法は?
東洋医学での治療法は?
自律神経失調症に使える漢方薬

自律神経失調症ってどんな病気?
体の様々の機能を支えている自律神経、これが上手く調節出来なくなるのが「自律神経失調症」と言われる症状です。以前から良く聞かれる病名ではありましたが、最近では特に男性、それも働き盛りの年代の方々にも大変多く見られるようになりました。精神的なストレスを長期間受け続け、ゆっくり休まない、休めないと言う所に原因がある場合が多いように思われます。また、閉経前後の女性に多い「更年期障害」も、ホルモンの分泌のバランスが崩れることによって起こる、ある種の自律神経失調症と言えるでしょう。その他にも実に様々なケースがあり、「こういうのが自律神経失調症」とはっきり明言するのは大変難しいものです。

自律神経とは、交感神経系と副交感神経系との二つの神経系からなります。自律神経は体温や胃腸の運動、呼吸、瞳孔、膀胱、心臓の働きなど、生きていく上で必要不可欠で大変重要な体の様々な働きの調節をしています。また自律神経の働きは自分で意識して調節できるものではありません。体が直面した反応に対して自然に働くもので、普通は恒常性を保つために様々な調節をしているのです。
 一般的に交感神経は興奮状態にある時、副交感神経はリラックスした状態にある時に優位に働きます。でも、例えば仕事のストレスやなんかで、日中はもちろん、帰宅後も体は休めていても精神が興奮していたり、家の中でも外でも色々なことが気になったりして神経の休まる暇がない状態が大変長く続いたりすると、自律神経の二つの系統が上手くバランスを取れなくなって、本来休むべき時に神経が興奮して眠れなかったり、体温調節が上手く行かなくなったり、心臓が必要以上にドキドキしたり、と言った症状が出てくるのです。どうも、どちらかと言うとおおらかな性格の人より、真面目で几帳面、完璧主義・・・という方に多いようです。
 
 実は、医学的に厳密に、「自律神経失調症」と言い切れるケースは、そう多くはなく、自律神経失調症の症状・・・とでも言うべき患者さんが多いそうです。ホルモン分泌の働きの崩れや、精神的なもの、心因性のものなどが影響して、似たような症状が起こるからです。これら全てをひとくくりにして、「自律神経失調症」と呼ぶことが多いようですね。
どんな症状があるの?
自律神経失調症と一口に言っても自覚的に起こっている症状は、挙げていけばきりがないほど、多様にわたります。例えば・・・
疲れやすい・めまい・立ちくらみ・ふわふわする・頭痛・頭が重い・肩こり・異常に汗をかく・のぼせる・ほてる・冷える・手足がしびれる・眠れない・イライラする・ゆううつ・胃腸不良・胃腸の不快感・のどがつかえる・暑くなったり寒くなったりする・動悸・不安感・人前に出るのがつらい・人と接するのに異常に緊張する・胸が苦しい・・・・
・・・等など、と言ったところですが、まだまだ他にも色々な症状があります。
これらのうちの少しだけが現れることもあれば、どれもこれも・・・と言うほどたくさんの症状が同時に、入れ替わり立ち替わり現れることもあります。

一般的にいえるのは、検査をしても原因がわからない、そして日常生活に支障がない、と言うことからなかなか病気と認めてもらえないことが多い、と言うことです。医者からのみならず、時には家族からも・・・。現代医学として根本的な治療薬がないと言うこともあるのでしょうが、患者さん本人にしてみたら、大変な苦痛なのです。おまけに、毎日のことです。患者さん本人は、ゆっくり休む、人に甘える、趣味の時間を楽しむ、体力があれば適度に体を動かしてみるなど、おおらかな気分で過ごすことを心がけることが大事です。また、ご家族は「本人が一番つらい」と言うことをよく把握し、精神的、肉体的な支えになることが大事です。

 
上に書いたような色々な症状が出るからと言って、自分勝手に「自律神経失調症」と決めつけるのは大変危険です。時によっては大きな病気が隠れていることも考えられるからです。おかしいなと思ったら、かならず信頼できる医療機関に相談し、一通りの検査を受けることです。
 
現代医学での治療
現代医学的にはこの様なとらえどころのない訴えを「不定愁訴」と呼んでいます。治療の前に何かの病気が潜んでいないかどうかを見極めるために様々な検査をします。大変な病気が隠れている場合もあるので、自分勝手に決め付けるのは危険です。検査の結果、特別な病気がないようならば、患者さんの訴えに応じてカウンセリングが施されたり、必要があれば抗不安薬や循環器系統の改善薬など、個々に適した薬の投与がされる場合もあります。
東洋医学での治療
漢方薬は自律神経失調症や不眠、更年期障害などは得意とする分野です。なぜならば、東洋医学では「検査結果」を見て治療方針を決めるわけではなく、体全体の状態をみて治療を進めるからです。患者さん本人の自覚症状、即ち調子の悪いところはもちろん、調子の良いところも含めた体全体の状態、更には、生活習慣、精神的な状態、家庭環境といった非常に個人的な部分まで参考にする事が多く、これら全ての情報を元に治療方針を決めます。ピンポイント的に治療をするわけではなく、体全体のバランスを元通りの健康的な状態に近づけ、偏りを無くして表に出ている症状を軽減して行きます。

症状の種類の多さを見ていただければ分かるかと思いますが、患者さんが違えばそれだけ症状も多く、また同じ症状が出ていたとしても、ある人と別の人では体の状態は必ず違います。ですので、自律神経失調症に使えるお薬として名前を挙げるのは大変難しいのですが、ここでは比較的一般的で、体質を選ばないものを主にご紹介します。
 
ただし、本来はご相談いただくのが一番いいと思いますので、できればメールなりお電話なりで詳しく聞かせていただくのが理想です。漢方相談のフォームをご利用いただくか、下記のところにメールをいただければ、こちらから折り返しお返事させていただきます。
漢方相談のフォームへ
 mail :info@dosho-machi.co.jp


自律神経失調症に使える漢方薬
天王補心丸(てんのうほしんがん)  八ツ目製薬株式会社    医薬品
神経のいらだちを鎮め、精神を安定させる作用、体力の低下を改善する作用があります。
体質虚弱な人の次の諸症:不眠、不安感、肩こり、息切れ、動悸口渇、便秘

丸剤  1日3回 1回8丸 食間または食前に服用
360丸入(15日分) ¥3960 (税込み)
720丸入(30日分) ¥7480 (税込み)
柏子養心丸(はくしようしんがん) 八ツ目製薬株式会社 医薬品

心身が疲れ、弱って眠れない傾向のある人の不眠症状(ねつきが悪い、夢が多い、熟眠感が少ない、ねむりが浅い)、口の乾き、疲労倦怠感、血色不良などに。

丸剤 成人(15歳以上)1回8丸を1日2回水又は白湯で服用して下さい。
15歳未満は服用しないこと

240丸 ¥3630(税込み)
480丸 ¥6600(税込み)

星火温胆湯エキス顆粒(せいかうんたんとうえきすかりゅう) イスクラ産業株式会社  医薬品
胃腸が弱い方の、不眠や不安感に。
虚弱タイプの不眠、動悸、不安感、胃腸障害、神経症、胸のもやもやに。
顆粒  1回1包 1日3回 食間または食前に服用
90包(30日分) ¥9614 (税込み)
サイリュンN 小太郎漢方製薬株式会社   医薬品
イライラや不眠、よく夢を見たり、動悸などの神経症状が強く、便秘がちな方。精神不安が強い方に。
錠剤 1回4錠、1日3回食間または食前に服用
180錠入り(15日分) ¥5060 (税込み)
カミセーヌN  小太郎漢方製薬株式会社   医薬品
のぼせやすく、ささいな事が気にかかり、イライラして不定愁訴が多い。元来几帳面で、気疲れ、気苦労型。
錠剤 1回3錠、1日3回食間または食前に服用
180錠入り(20日分) ¥4070 (税込み)
ヨクカーンN  小太郎漢方製薬株式会社  医薬品
神経が高ぶり、イライラして怒りっぽい。興奮のため眠れない人や、子供の夜泣きに。
錠剤 1回4錠、1日3回食間または食前に服用
180錠入り(15日分) ¥4730 (税込み)
シギロンN  小太郎漢方製薬株式会社   医薬品
ストレス性の胃炎、胃潰瘍によく使われます。不眠、イライラ、ゆううつな気分、物音に敏感、など神経質な傾向がある方に。
錠剤 1回3錠、1日3回食間または食前に服用
180錠入り(20日分) ¥5060 (税込み)
サイケーカンN  小太郎漢方製薬株式会社  医薬品
体力がなく疲れやすい、冷え性、首から上に汗をかく、寝汗をかく、食欲不振、不眠、動悸、息切れなどに。
錠剤 1回3錠、1日3回食間または食前に服用
180錠入り(20日分) ¥5060 (税込み)
ハンゲコーN   小太郎漢方製薬株式会社   医薬品
吐き気、上腹部の不快感、悪心、無気力感などがあって、気分がふさぎがち、ささいな事が気になって眠れないなどに。
のどに常に何かがつかえているような感じ(梅核気と呼ぶ)がある場合には、非常に効果的。
錠剤 1回4錠、1日3回食間または食前に服用
135錠入り(15日分) ¥4730 (税込み)
レイジットN  小太郎漢方製薬株式会社  医薬品
立ちくらみ、めまい、ふらつくようで歩行しにくい、のぼせやすい、動悸、息切れ、頭痛、肩こり、イライラ、胃下垂、などのある方に。
錠剤 1回5錠、1日3回食間または食前に服用
180錠入り ¥5280(税込み)
キュウキインN  小太郎漢方製薬株式会社  医薬品
産後や生理による出血過多が原因で貧血傾向にある方の、体力低下、頭痛、めまい、イライラ、動悸、目のかすみ、耳鳴り、冷え性に。
育児ノイローゼにも。
錠剤 1回5錠、1日3回食間または食前に服用
180錠入り(12日分) ¥4730 (税込み)