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血液中の脂質が正常値を越えて高くなった時、高脂血症と診断が付けられます。
成人においては
コレステロール 220mg/dl 以上の時を高コレステロール血症
中性脂肪 150mg/dl 以上の時を高中性脂肪血症
と呼びます。
このうちいずれか一方、もしくは両方あてはまるときに高脂血症と言います。
高脂血症が起こる原因には2つあります。
一つは遺伝を元に起こるもので、親・兄弟をはじめ、血縁者にコレステロールや中性脂肪の高い人が多いことから、家族性高脂血症といいます。
もう一つは、高脂血症を起こしやすい病気(肥満がその代表的なものです)にかかっていて、その為に脂質が増加してくる場合で、これを二次性高脂血症と言います。
高脂血症の人には動脈硬化症がおこりやすいといわれています。
この動脈硬化をおこしやすい因子(危険因子と呼びます)には、高脂血症の他に、高血圧、糖尿病、肥満などがあります。これらの危険因子を一つでも多く持っている人ほど、動脈硬化症をおこしやすく、とくに心筋梗塞にかかりやすいことが知られています。
したがって、高脂血症がある時は早めに治療して、脂質を正常値まで下げておくことが必要です。
治療には食事療法・運動療法・薬物療法の三つがあります。
適切な食事療法を行うことにより、脂質の改善が期待できるので、最初にはじめるのが食事療法です。
脂肪分を控える必要はありますが、食事の中で血中脂質に影響を与えるのは脂肪分だけではありません。
摂取総エネルギー量(1日に摂取する全体量)、脂肪分の内容、コレステロールの含有量、アルコール摂取量などについても考慮が必要です。
コレステロールが高い人は、一日のコレステロール摂取量を300mg以下に抑えます。卵黄にはコレステロールが最も多く含まれています。卵を食べることでコレステロールが増加するタイプの人は控えてください。
また脂肪分も1日の総エネルギー量の30%以下にします。
そして脂肪分の内容も大事です。
飽和脂肪酸( S)を3分の1以下にして、できるだけ多価不飽和脂肪酸(P)を多くします。1価の不飽和脂肪酸であるオリーブ油も良いでしょう。
飽和脂肪酸(S)の多い食品 : バター、ラードなどの動物性脂肪
多価不飽和脂肪酸(P)の多い食品 : 魚油、サラダ油など
また食物繊維にもコレステロールを低下させる作用がありますから、海藻類、豆類、キノコ類などを食べるよう心がけましょう。
中性脂肪が高い人にもっとも注意してほしい事は、太り過ぎないこと、アルコールを控えること、甘いものを食べ過ぎないことです。
「中性脂肪が高い」と言われると、脂肪分だけを控える人が多いですが、中性脂肪を増加させるのは主としてアルコールと糖質です。肥満をともなっている時には1日の食事量を減らして肥満を是正することが大切です。
中年の肥満した男性が、アルコールを中止するだけで中性脂肪の値が正常化することは良く見られることです。また、女性は果物の食べすぎが原因となっている事もあります。
適度の運動はエネルギー代謝を活発にするので、中性脂肪を低下させ、善玉コレステロールと言われているHDLコレステロールを増加させます。
毎日無理のない運動を行い、体重の調整をはかるのが大切です。
中性脂肪・善玉コレステロール・悪玉コレステロール
出来るだけ分かりやすく説明してみました。
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